"ボランティア経験から見えてきたこと" 「よる講」 vol.5
さる9月12日、5回目の「よる講」が行われました。
講師は竹内康紘さん。
本校で「福祉の現場」や「政治・経済」などを受講し、
現在は聖学院大学で心理福祉学を学びながら、
学生ボランティア団体「そよ風」を立ち上げて活動しています。
大学では自由が与えられる分、自己管理・自己責任が原則となると話されました。
自分は自森に入学した時点でその感覚を経験しているので、
入学当初は同級生とのギャップを感じたそうです。
自森生は一般的な大学生より3年早く半分大人の経験をスタートしていると感じたそうです。
大学ではフィンランド研修と能登や東北でのボランティアにも取り組み、
「よる講」ではそれらの体験を中心に語ってくれました。
■フィンランドで感じたこと
まずはフィンランド。
「福祉が行き届いているフィンランドに比べて、
日本では障害者・不登校・高齢者などへの支援がなかなか行き届かない。
フィンランドの福祉をそのまま取り入れられるのではないかと考えたが、
シンナウハという支援施設の存在や、文化や価値観、考え方の違いから、
やはり日本には日本に合ったやり方がある、と考え直したそうです。
また犯罪者に対して、日本は徹底した管理と拘束によって罪を償わせるのに対して、
フィンランドは
「罪を償わせるとは、その人の尊厳を傷つける事ではなく、自由を奪う事。」
と考えるそうで、
この大きな考え方の違いはとても印象に残りました。
自由を奪うといっても、昼間出掛けて夜、刑務所(生活の拠点)に戻るというような生活で、
申請すれば外泊もできるという話は衝撃的でした。
自衛隊車両とトラックしか見かけられない現状。
そんな中、能登町で暴れ祭が7/5.6に行われた。
子供を乗せたキリコを肩に食い込ませながら大人達が担ぎ、
神輿を海に放り投げ、松明の炎の中を火傷を負いながら
夜通し練り回るという過酷な祭りだが、江戸時代から地元の人に愛され続けている。
全国的に祭りの存続が難しくなる中、
能登の暴れ祭りがこれだけ熱狂的に愛され続けているのは、
地元の子供達が祭りでの大人の姿を見て自分たちも大人になったら参加したい、
と感じるからだと思う。
地震の爪痕に苦しんでいる中だからこそ、
住民にとってはより大事で、生きる力となっている行事だと感じた。
その祭りに参加出来たことを嬉しく思いますとのことでした。
■大学での活動
聖学院大学の職員の方と竹内さんが立ち上げた学生ボランティア団体
そよかぜのメンバー2人も駆けつけて下さり、お話を伺えました。
「聖学院大学は心、人との関わりを大事にしており、
自森の卒業生からとてもシンパシーを感じる。」
「ボランティアを通して人と人としての関わり方を学べた。
「してあげる」というマインドではなく、
その土地の魅力を知り、地元の人と触れ、活動することで、何かを得られたという感覚。」
竹内さんもフィンランドに向かう飛行機で見たオーロラや、
現地の子供達との触れ合いで
子供は世界共通と感じた事などが印象に残っていらっしゃったようです。
評価表提出期限の前日にも関わらず24名もの生徒が集まりました。
在学中に「福祉の現場へ」「政治・経済」などの
選択講座を受講されていた竹内さんのお話に興味を持った在校生達は、
終始熱心にお話を聞いていました。
講演後は、活躍されている身近な先輩に対して真剣な質問が出され、
大変有意義な時間となりました。
寮に戻ったあと、ある寮生が「自分はボランティアをするとしたら、
『してあげた』と考えてしまうので福祉には向いていないかもしれない。
けれども、「福祉の現場へ」の授業は受けてみたいと思った。」
と話してくれた事を嬉しく思いました。
寮監E